最近周りから節約・節税・保険についての質問を受けることが増えてきました。聞いてみると、合計月2-3万円の程度払っている人も多いようで。それは家計を圧迫します、、、。
色々な人がすでに発信されている内容ではありますが、自分の復習も兼ねてまとめてみました。
ポイント
- 掛け捨て型の医療保険はほとんどの人にとって不要
- 積み立て型の医療保険は絶対に不要
- 国民健康保険等の公的保険と貯金でまかなう事ができる
これらの点について自分なりにまとめてみます。よく次のような質問をされることがあります。
[st-kaiwa1]何かあった時に心配。家族に迷惑をかけてしまうかもしれない。
保険が効かないような先進医療が必要になってしまったらどうしよう、、、。
積み立て型保険なら払った分も戻ってくるし、少し増える事もあるらしい。
もしこれらが心配であれば、貯蓄、投資でカバー可能です。
そもそも保険とは。何かあった時のため?
私見もはいりますが、保険というのは払った分はなくなってもいいから、いざという時に破産をしてしまうとか、もう生活ができなくなってしまうという時に備えて入っておくべきものだと思います。例えば一家の大黒柱が亡くなってしまったり、交通事故で相手側に対して何千万円ものお金を払わないといけないとかですね。
医療保険はどうでしょうか。日本は公的保険、特に健康保険が充実しておりどれだけ高い治療費であっても高額医療費制度で一月に払う上限は決まっています。そしてほとんどの疾患において平均入院期間は1ヶ月以内であり10-20万円/月程度で済むことがほとんどです。
すでに我々日本人は国の「保険」に入っており、そこで二重に民間の保険にはいる必要性は低いです。
保険は基本的に消費者が損する仕組み
保険はよく「不幸の宝くじ」と言われます。言い方は悪いですが、保険を購入する人は入院する事に賭けて入院した場合にお金を多くもらうという仕組みです。ただ、その「宝くじ」の期待値は非常に低く胴元である保険屋が必ず儲かる仕組みになっています。期待値というのは平均的にどのくらいお金が戻ってくるかという指標で、宝くじは40-50%程度と言われているので1億円かったら5000-6000万円損するという仕組みです。
医療保険に入ろうとするのは基本的には健康な人が多く、その低い入院する確率に賭けるよりもその分を貯蓄もしくは投資に回したほうが確実です。
積立型の医療保険って必要?
先進医療が必要な時に困るんじゃ?
先進医療とは
✗ 新しくてすごい治療
○ 新しい治療だけど、安全性・有効性はまだ検証中
先進医療と言われる治療は確かに保険外診療となります。ただ、どういう治療が適応となり、どのくらいお金がかかるのか、頻度はどのくらいあるのかは知っておいたほうが良いと思います。いわゆる先進医療というのは、「良い治療」というわけではないです。良い可能性が高いがまだ評価中なので保険適応ではないという考え方のほうが良いと思います。
先進医療は「高くてすごい治療」という認識を持っている人も少なからずいらっしゃいますが、そういうわけではないです。先進医療の中には数百万円するものから、数千円の治療もあります。
重粒子線・陽子線治療や、最近話題のオプジーボのような免疫チェックポイント阻害薬については確かに自由診療でお金を支払うにはかなり辛い金額です。ただ、頻度はとても少ないです。陽子線治療は2番目に多い先進医療ですが、去年は約1300件だったそうです。特に若いうちにそのような治療を要するような悪性腫瘍にかかる確率は非常に少ないので、それならその分を投資・貯蓄にまわして数百万円の余裕を作るほうが現実的なのではないかと思います。
このあたりは考え方にもよると思うので、いざという時の安心を買うという意味では掛け捨ての保険であれば加入するのは良いかもしれません。
積み立て型の医療保険なら元本保証?資産運用になる?
積み立て型の医療保険は絶対におすすめしません。元本保証等の謳い文句はありますが、それは確実に保証されたものではないですし、それよりも数十年間資金を拘束されてしまうデメリットのほうが遥かに大きいです。
積み立て型医療保険=掛け捨て型医療保険+手数料がクソ高い投資信託
簡単に言うと上のような感じです。有名な米国の投資信託であるS&P500や、VTI等の商品を購入すれば年間4-5%程度の利回りが期待できると言われています。つまり20年間積み立てれば複利の力で元本よりも大きく増やすことが出来ます。
積み立ては元本保証だからお得!という印象を持ってしまいますが、この世の中悲しいことに消費者が手放しに得するような民間の制度はほとんどないと言っていいかもしれません。
まとめ
国民健康保険は、最高の医療保険である。
世界をみてもこれほど手厚い保障がある保険は珍しいです。せっかく義務として加入しているのですから、できるかぎりこの制度を利用し、それでも対応出来ないところのみ保険を使用しましょう。
また、貯蓄型の保険は不要です。入るくらいなら貯蓄か投資信託が良いと思います。