- 海外で生活する予定だが安全や健康面で心配がある
- 現地で生活する前に病気や医学的知識がほしい
- 健康で過ごすために出来る準備が知りたい
- 現地での予防方法や何かあった時の対処方法をしりたい
最近ではグローバル化や、国際ボランティアに取り組む人が増えた影響で海外で生活する日本人が徐々に増えてきています。
ただ、海外というのは先進国でも途上国であっても、日本とは全く異なる生活になります。
日本では経験する事がないトラブル、感染症等の様々な安全・健康上の問題を生じる可能性がありますが、その中には事前の知識や予防で防ぐ事が出来る事案も多くあります。
この記事ではそんな人に向けて、最低限押さえておいてほしい知識、準備していってほしい事、現地で気をつけてほしい事をまとめています。
海外生活中におきる健康上の問題
海外生活中には様々な健康上の問題が生じる事があります。頻度が多い症状としては、発熱、下痢、腹痛、咳・鼻汁、発熱、疲労感、特に女性では生理痛、生理不順のような症状が生じる事もあります。
ほとんどは徐々に生活に慣れて改善していきますが、中には対応に注意をしなければいけない症状や疾患もあります。
原因はいくつかありますが、感染症、気候・環境の変化、食事が合わない、人間関係の変化等様々な事が要因になりえます。ここでは頻度が多い問題点を紹介させていただきます。
- 感染症(食中毒、ウイルス感染、寄生虫感染)
- 怪我
- 歯の問題
- 熱中症
- 精神的な問題
- 重大な病気
感染症(食中毒、ウイルス感染、寄生虫感染)
感染症は海外で最もかかりやすい病気の一つです。最も頻度が多い疾患は咳・鼻水・咽頭痛を伴うようないわゆるウイルス性上気道炎(風邪)、下痢・腹痛・嘔吐を引き起こす胃腸炎が多いと思います。症状はつらいですが、そのほとんどは自然と治る病気であり大きな心配はありません。
ただ、稀に重大な症状・合併症を生じたり、命に関わるものも存在します。いずれの病気も感染する原因が存在し、かつ予防をする手段もあります。自分の身を守るためにはその疾患について知り、正しい予防・対処方法を知る事が大切です。詳細はこちらでまとめています。
怪我・動物咬傷(動物に噛まれる)
何らかの怪我をした場合、こちらも日本と比較して注意が必要です。対処を間違えると取り返しのない自体となる可能性もあります。
特に汚い場所(土にふれる、釘が刺さる等)での怪我や動物による怪我は対応方法が変わってくるので注意が必要です。詳細はこちらでまとめています。
歯の問題(虫歯・歯が折れる・矯正の問題等)
多くの人が思っている以上に海外で歯の問題に困っている人は多いです。問題が生じる事も多いです。病院に行くとしても、コミュニケーション・保険の手続きが大変だったり、安心して任せる事が出来る歯医者さんを見つける事が難しいです。
事前に日本で歯医者に行くことで対応出来る事もあります。海外に行く前に一度歯科検診を受ける事をオススメします。
熱中症
特にアフリカや東南アジア等の日本と比べて暑い国に行く方は注意が必要です。空調設備が整っておらず日本よりも過酷な環境で働かなければいけないことも多いです。定期的な水分補給や普段からの運動等で予防ができます。
精神的な問題(眠れない、元気がない)
海外は環境の変化・人間関係の変化・文化の違い等のストレスが多いです。周りのサポートや時間とともに徐々に慣れていく人が多いですが、体調の変化・眠れない等の症状をきたしてしまう人もいます。
もし、「一日中落ち込んでしまう」、「食欲がない」、「眠れない」等の症状があれば自分の思っている以上に精神的な負担があるのかもしれません。そんな時は、まず休養する事が最も重要です。無理はせずにまずは上司と相談してみてください。
重大な病気
可能性は低いですが旅行先で脳卒中、心筋梗塞等の専門的な治療が必要になる病気にかかる事もあるかもしれません。そんな場合は必ず日系・外国人向けの病院を受診するようにしましょう。
現地の病院では一般的ではない治療であったり、民間療法のような伝統的な治療を受ける事になるかもしれません。いざという時に病院探しで不安にならないように、日系・外国人用の病院を一度調べておくと安心です。
海外で巻き込まれる可能性がある犯罪
日本は世界的に見ても有数の安全な国です。海外ではたとえ安全と言われている国であっても、日本と同じように生活をしていると必ず犯罪に巻き込まれます。こちらでは頻度が多く巻き込まれやすかったり、注意が必要なトラブル・犯罪を紹介します。
- すり・ひったくり
- 置き引き
- ぼったくり(観光・タクシー等)
- 強盗
- クレジットカードのスキミング
- 薬物関係(睡眠薬、違法薬物)
すり・ひったくり
頻度が多く巻き込まれやすい犯罪の一つです。不注意で被害に遭う事がありますが、海外生活が長く注意している人でも一瞬のスキをつかれて被害にあう事があります。
一般的にはカバンを前に持つ、車道側に荷物を持たない等の予防策が言われていますが、そのような予防していても無理やり盗られかつ怪我をしてしまったという被害報告も聞かれます。
一度狙われ、力づくで行動されてしまったらどうしようもありません。予防をしようと思ったら、まずは狙われないことが大事です。貴重品を持たない、持つとしてもウエストポーチ等で周りから見えなくすればほとんど狙われる事がありません。
その他の具体的な対応についてはこちらの記事で解説しています。
置き引き
日本では喫茶店・レストラン等で荷物や貴重品を席においたままトイレ等に移動してもほとんどの場合で何も起きることはありません。ただ、海外ではそのような事は絶対にしてはいけません。数分の間目を離した隙に大事な荷物が盗られてしまう事もあります。
ぼったくり(観光・タクシー等)
- 相場を知っておく
- 一旦値切ってみる
- 配車アプリを使用する(オススメ)
現地で長距離移動をしようと思った時、日本のように電車・バス等の交通手段が十分に整備されておらず、移動手段として現地のタクシー、東南アジアではトゥクトゥクと呼ばれる3輪タクシーを使用する事が多いです。
その際に外国人が相手とわかると、通常よりも高い料金を請求してくる事があります。値段にすると数ドル程度なのでそれほど大きな被害にはなりませんが、法外な金額を請求されてしまう可能性もあります。
相場を知る、値切る等の対応で防ぐ事が出来る事が多いです。また最近ではUberのような配車アプリが一般的になってきています。アプリを使用すれば値切ったり・交渉する手間がなくなるのでとてもオススメです。
強盗
- インターネットでリスクのある地域・国を調べる
- 人通りが少ない場所、夜に出歩かない
- 被害にあったら争わない、取り返そうとしない
強盗は完全に防ぐことは困難かつ危険も伴うため、何よりも狙われないことが重要です。
強盗のような凶悪犯罪はどの国・地域でも頻発するわけではありません。事前に外務省ホームページやインターネットで情報収集すればある程度のリスクは把握出来るため訪問する国について一度調べてください。
強盗は夜や人通りが少ない場所で発生する事が多いため、そのような場所で一人で出歩くことは避けましょう。
また、もう一つ大事なことは、「被害にあった時に絶対に争わない、取り返そうとしないでください。」
逃げる際に刃物・暴力の被害を受けたという話も聞かれます。貴重品は取り返しがつきますが、自分自身の安全や命は取り返しがつきません。
クレジットカードのスキミング
クレジットカードは安心出来る店、大きい店以外では使わないことをオススメします。ローカルな店でもたまに使える事がありますが、カード情報を読み取られ不正に利用される可能性があります。
薬物関係(違法薬物)
海外では違法薬物のやり取りも横行しています。海外生活に来ている人の中には一時の興味で違法薬物に手を出す人がいますが、下記の理由から絶対に関わらないようにしてください。
- 重大な犯罪行為であり、逮捕され日本に帰れなくなる可能性
- 薬物取引関係の重大な犯罪に巻き込まれる
- 依存性・副作用により重大な健康被害を引き起こす
身を守るための心構え・考え方
- 自分の身は自分で守る
- トラブルは防げない。その解決策・対応策を覚えておく。
- トラブルが起きても決して争わない
- 郷に入っては郷に従う
- 見知らぬ人を安易に信用しない
- 信頼できる情報源・人を知っておく
- 夜や人通りの少ない所で出歩かない
自分の身は自分で守る
海外では日本と比べて事件・事故、感染症等の危険性が多く潜んでいます。
そんな時に大事な考え方は、自分で考えて自分自身の身を守るという事です。
日本では政府・サービス・周りの人達のサポートが非常に充実しています。少し電話相談をしてしまえば解決してしまう事も多々あります。
ただ海外ではそのような手厚いサポートが期待出来る事は少なく、一人で言葉が通じない中でトラブルに立ち向かわなければいけない事もあります。また騙すつもりで近づいてくる相手も多く存在します。安全のためには基本的には本当に信じれるのは自分自身のみと考えながら行動する事も重要です。
トラブルは防げない。その解決策・対応策を覚えておく。
どれだけ気をつけていてもトラブルを完全に回避することはできません。大なり小なりなんらかのトラブルを経験すると思います。
予防できればそれに越したことはないですが、なにかトラブルが起きた時の解決策・対応策を知っておけば、いざという時に対応ができます。
トラブルが起きても決して争わない
トラブルや犯罪に巻き込まれた時に、相手と絶対に争ってはいけません。
財布や自分の手荷物を盗られてしまうのは悔しく・腹立たしい事ではありますが、それでも取り返そうとしたり争うことは非常に危険な事です。暴力・特に刃物や銃等を持ち出してくる可能性もあります。
パスポート、現金、携帯電話等は再度手に入れる事ができます。保険を利用すればその分のお金も返ってきます。ですが、自分の健康・命・安全に関して取り返しのつかない事態になってしまっては意味がありません。
有名な話ではありますが、海外で生活をする場合にはトラブルが起きたとしても決して争わないことを意識してください。
郷に入っては郷に従う
海外で生活をしていると、日本では考えられないような文化に頻繁に遭遇します。日本人・先進国に住んでいる人間からすると、間違っているように感じられたり、指摘したくなるような事も多々存在します。ですが声を出す前に一度その国の人・立場から物事を考える方がより良いアドバイスが出来るでしょう。
例えば、私自身が関わっている医療系の分野においては倫理的な葛藤が多く存在します。日本であれば問題なく治る病気であっても経済的・家庭の事情で治療ができない事もあります。日本円で1万円程度の金額ですらその国の人にとっては月収の何倍、家族全員を養うために捻出しなければいけない金額という事もあります。そのため、その人の背景・経済状況等も加味した上で、病気だけではなくその人達の家庭にとって良い選択を探さなければいけないため、非常に難しい選択を迫られる事もあります。
日本人として良いことではなく、その国の人にとって良いことを考える事が重要です。
医療以外の分野でも同様の経験をすると思います。そんなときは一度「その国の人にとって良いことなのか?」ということを考えてみてください。
見知らぬ人を安易に信用しない
海外で初めて会う人については、どれだけ愛想が良かったり親切であっても、まずは手放しには信用しないでください。
よく海外旅行で聞く話ですが、「旅先で出会った現地の人がとても親切だったので信用したらお金を騙し取られた」という事も稀ではありません。
現地の人と楽しく交流するのは大事な事ではありますが、絶対に貴重品を見せない・渡さない等の自己防衛は忘れないようにしてください。
信頼できる情報源・人を知っておく
海外では知らない相手を信用しないというのは基本ですが、それでもいざという時の情報源や助けてくれる人は大事です。トラブルが起きた時に相談する相手は知っておきましょう。
まずはgoogleで検索してみるのがオススメです。ほとんどの場合は似たトラブルに関わったことがある人が情報共有をしてくれています。また、自分が関わっている団体や会社、大使館、保険会社等が信用できる相談相手になってくれる事が多いので必要に応じて電話をしてみてください。
夜や人通りの少ない所で出歩かない
多くの犯罪・トラブルは人気の少ない所で起きます。夜や人通りが少ない所では、危険性も増すため極力出歩くことを避けるようにしましょう。タクシーやトゥクトゥク等の移動手段を使えばトラブルの回避ができます。
海外生活で覚えておくべき病気
海外生活では日本ではあまりかからない、見られない病気のリスクがあります。その病気を知っているだけでも予防・対策が可能になります。地域や国にもよりますが、海外に行かれる方は一度下記の病気には目を通してみてください。
- 食事による感染症
- 虫(蚊・ハエ・ノミ)で媒介する感染症
- ヒトから伝染る感染症
- 怪我による感染症
食事による感染症
代表的な病気:大腸菌による食中毒、コレラ菌、HAV(A型肝炎)、寄生虫等
予防接種で防げる:HAV(A型肝炎)
これらは汚染された水や食べ物を介して経口感染します。適切な対応をすれば命に関わる事はほとんどありませんが、長い期間強い症状に悩まされる事になります。
口から感染するため、火の通っていない食事、生水、氷等を摂取する場合にはそのお店の衛生環境に注意しておきましょう。食事の際には必ず熱を通すというのも予防になります。
また、寄生虫は生物を食べた時に感染する事があります。貝やカニ等の海産物ではヒトに感染する寄生虫がいる事もあるため、摂取する前には必ず火を通すようにしましょう。
虫(蚊・ハエ・ノミ)で媒介する感染症
代表的な病気:マラリア、日本脳炎、黄熱病、ペスト、チクングニア熱、エボラ出血熱等
予防接種で防げる:日本脳炎、黄熱病
蚊、ダニ、ノミ、ハエ等を媒介する感染症は世界中に数多く存在しています。中には重篤な症状を起こしたり、命に関わる病気も存在しています。こちらもかかる前の予防が非常に重要です。
適切な予防接種、そして蚊・ハエ・ダニ・ノミ等の原因になる虫に刺されないことが重要です。虫除けスプレー、蚊帳等、肌を露出しない事で予防ができます。
その国・地域によって流行している感染症が異なるため、一度行く予定の場所を所属する団体や外務省のHPから調べてみてください。
ヒトから伝染る感染症
性行為関連の感染症:HIV、梅毒、淋菌・クラミジア
血液からの感染症:HBV(B型肝炎)、HCV(C型肝炎)
咳や鼻水等(飛沫感染):一般的な風邪、SARS、髄膜炎菌
予防接種で防げる:HBV(B型肝炎)
性行為関連の感染症
ヒトから伝染る感染症も注意が必要なものが多いです。 海外でヒトから移される可能性がある感染症で有名なものの一つは性行為感染症です。海外で知り合った相手、お店のヒト等と関係をを持ってしまうケースがありますが、その際には十分な注意が必要です。
口、性器、皮膚の傷等の粘膜同士の接触であればどんな行為であっても感染する可能性はあります。日本と比べても病気を持っている確率は高いです。
血液からの感染症
針刺し事故で感染する事が多いため、特に医療者にとって重要な感染症です。特にHBVの感染症は一度慢性化すると根治が難しいです。そのため予防接種、針刺し事故の防止等での予防が重要です。
医療者従事者であれば基本的にHBVの予防接種は必須としている事がほとんどです。
咳は鼻水等(飛沫感染)
一般的な風邪等がこの感染経路になります。特に2022年3月現在では新型コロナウイルス(COVID-19)が流行しており、特に注意をしなければいけない感染経路の一つです。飛沫感染が主な経路であり、マスクと手指消毒が重要です。
怪我による感染症
代表的な病気:狂犬病、破傷風
予防接種で防げる:狂犬病、破傷風
特に狂犬病、破傷風は注意が必要です。これらは発症すると命に関わる病気です。ワクチンと適切な対応で予防できる疾患であり必ず覚えておいてください。
狂犬病はその名の通り、犬から感染する病気ですが、犬以外の動物でも感染する事があります。犬・猫・コウモリ等様々な動物がそのウイルスを持っています。なめられたり、引っ掻かれても感染する事があるため基本的には近づかない事が重要です。
破傷風は土に潜んでいる細菌であり、汚い所での傷では感染するリスクがあります。大きな傷がリスクですが小さい傷でも絶対に発症しないとは言えません。
どちらの病気も予防接種と暴露後の予防で防ぐ事ができるため、その対応を覚えておくことが重要です。
海外で感染症や病気を防ぐために
海外で問題になる感染症や病気は、その多くが予防・対応策があります。適切に対応する事により発症リスク・重症化リスクを下げる事ができます。こちらでは特に覚えておくべき対応策を紹介しており、ぜひ参考にしてください。
- 適切な予防接種を受ける
- 虫に刺されないようにする(虫除けスプレー、蚊帳)
- 動物に噛まれたり、引っ掻かれたら必ず病院に行く
- 食事・水に気をつける
- 夜の街には近づかない
適切な予防接種を受ける
海外には危険な病気が多く存在していますが、その多くは予防接種で防ぐ事ができます。滞在する国や地域によって頻度が多い感染症が異なるため、いく団体や外務省のHPで事前に接種するべき予防接種を確認してみてください。
虫に刺されないようにする(虫除けスプレー、蚊帳)
虫による感染症は一部予防接種も有効ですが、最も重要なのは虫に刺される頻度をへらす事です。日中は虫よけスプレー、夜間に蚊帳を使用すれば蚊や虫に刺される頻度はかなり減らす事ができると思います。
動物に噛まれたり、引っ掻かれたら病院に行く
海外で有名な病気である、狂犬病・破傷風の予防に重要です。気性が荒い動物も多いため、何よりも近づかない事が重要です。
また、もし噛まれる・引っ掻かれる等の被害にあった場合はそれがたとえ小さいキズであっても一旦病院に行くことをオススメします。小さい傷であってもその動物の種類や状況によって対策が変わってくる事があります。
食事・水に気をつける
どこであっても基本的に日本よりも衛生環境は良くない事が多いです。そのため多くの日本人は海外に来ると何度か胃腸炎にかかることが多いです。
その原因の多くは屋台、ジュース、フルーツ、生野菜等が感染経路になりますが、現地の食事を全く摂らないという事は現実的に難しいため完全に防ぐ事は困難です。
予防をしようと思った場合には現地の人から情報を仕入れておく、火が通ったものを食べる等の対策である程度予防する事はできます。
夜の街には近づかない
夜の街は新型コロナウイルスのような感染症、性行為感染症等の危険な病気にあふれています。安全に生活するという意味では近づかないのが無難です。
怪我をしたらどうする?
海外生活においては怪我をした時の対応も日本とは異なります。破傷風・狂犬病の2つは必ず注意しなければいけません。きれいな傷、汚い傷、動物に噛まれた時の傷の対応の3つを紹介します。
破傷風
土、釘等の汚い場所での怪我で感染する事があります。もし感染すると神経の症状を引き起こし、命に関わる場合もあります。事前の予防接種、感染後の注射により予防する事ができます。
破傷風は大きい・かつ汚い怪我であるほど感染リスクが高いと言われていますが、小さい傷であっても感染の可能性はあります。きちんと予防接種を行っていれば感染リスクはかなり下げる事ができるため、事前の接種が推奨されます。
狂犬病
汚い怪我の中でも特に動物に噛まれたり・引っ掻かれたりした場合には狂犬病のリスクも伴います。発症したら100%助からないと言われており、予防が重要です。事前の予防接種も有効ですが、怪我をした後の予防(暴露後接種)でも発症率はかなり下げる事ができます。
きれいな傷
病院受診はしなくても大丈夫
土がつくような怪我や、動物に噛まれるような怪我でなければ基本的にはきれいな傷と考えて大丈夫です。例えば包丁で切った傷等がそれにあたります。
基本的にはその傷自体は感染症のリスクはありません。その後に感染しないようにきれいな水で洗い、きれいなガーゼ等で覆っておけば自然と治っていきます。
汚くて深い傷(釘が刺さった、交通事故等)
絶対に病院を受診する
破傷風等の感染症は、一般的に深く・汚い傷であればあるほどリスクがあがると言われています。特に汚くて深い傷の場合には、丁寧な洗浄・異物の除去・デブリードマン(汚い組織の除去)が必要です。また、それに加えて破傷風予防の注射が必要になることも多いです。
個人では対応ができないため、もし深い傷を負ってしまう・もしくは傷口の処置に関して少しでも不安があればお近くの医療機関を受診することをオススメします。
動物に噛まれた
絶対に病院を受診する
上記の汚い傷の時と同様に、丁寧な洗浄・異物の除去・デブリードマン(汚い組織の除去)、破傷風予防が必要になります。
また、動物に噛まれた場合には上記の他に狂犬病予防も必要になることがあります。リスクがある場合には狂犬病の暴露後接種という予防接種が必要になります。こちらも個人での対応が難しいため必ず病院を受診してください。
推奨される受診先は大使館のHPに記載されている事が多いです。
海外の情報をしるには
受診前にはその国・地域の情報をしいれておくと安心です。下記が主な情報源になりますので、参考にしてください。
- 所属する団体からの情報
- その国の大使館
- 厚生労働省検疫所 FORTH
- 国立感染症研究所
特に感染症情報、犯罪・トラブル情報等が参考になります。
まとめ
こちらの記事では海外で被害に巻き込まれる可能性がある犯罪・トラブルや感染症を紹介させていただきました。慣れていない海外ではどれだけ注意してもしたりないぐらいの気持ちでいたほうが安心して暮らせると思います。海外に来ようと思っている人は参考にしていただければ嬉しいです。